多くの人が歯並びを綺麗にしたいと考えますが、健康な歯を抜くことには抵抗を感じているものです。しかし、歯科矯正では歯並びを整えるスペースを確保すべく、抜歯が行われるケースがあります。
抜歯を伴う矯正治療には、顔の形が変わるのではないか、噛み合わせに影響が出るのではないかといった不安の声が見られます。また、抜歯後に後悔したと感じる人の割合も少なくありません。
本記事では、矯正で4本抜歯するメリットとデメリット、抜歯が必要なケース、抜歯以外の選択肢や後悔しないための注意点を詳しく解説します。最後まで読めば、抜歯矯正に関する正しい知識を得られるほか、最適な治療法を選択できるはずです。
歯科矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事の情報は2025年2月時点のものです。詳細はクリニック公式ホームページでご確認ください。


矯正で4本抜歯する理由

歯科矯正で4本抜歯する理由は、歯を並べるスペースを確保するためです。多くの場合では、上下左右の第一小臼歯(前から4番目の歯)を抜歯します。
これは、歯列弓(歯並びの形)を整えるのに適した位置だからです。
歯並びが悪い原因は、顎の大きさと歯の大きさのバランスが取れていないためです。特に、日本人は欧米人に比べて顎が小さい傾向にあるため、32本の歯が並ぶスペースが足りないケースがあります。
そのため、4本の抜歯をし、残りの歯を理想的な位置に移動させる必要があるのです。
また、出っ歯や上下の歯のずれを改善するためにも抜歯が必要になる可能性があります。前歯を後ろに引っ込めたり、上下の歯の位置関係を調整したりするには、ある程度のスペースが必要なためです。
ただし、抜歯の判断は症例によって異なります。歯科医は患者の以下の項目を考慮して、必要性を慎重に判断するのが一般的です。
- 口腔内の状態
- 顔の形
- 年齢
- 将来の変化
したがって、抜歯が必要かどうかは、専門医による診断と治療計画が欠かせません。

矯正で4本抜歯すると後悔するのはなぜ?

矯正で4本抜歯すると後悔する主な理由は、以下のとおりです。
後悔する理由 | 詳細 |
顔の形の変化 | 口元が引っ込む、頬がこける可能性がある |
噛み合わせの悪化 | 食事が困難になったり、発音に影響が出る場合がある |
痛みや違和感 | 抜歯後の痛みや違和感が予想以上に長く続くことがある |
健康な歯の喪失 | 問題のない健康な歯を抜くことへの心理的抵抗 |
治療期間の長期化 | 抜歯により全体の治療期間が延びる可能性がある |
抜歯矯正後に後悔を感じるケースは、珍しくありません。特に、治療前に十分な説明を受けていない、治療結果が期待と異なる場合には、失敗したと強く感じる傾向にあるようです。
後悔しないためには、治療前に矯正歯科医とコミュニケーションを取り、治療計画や予想される結果を理解しなければいけません。また、複数の歯科医院でセカンドオピニオンを得ることも、適切な判断につながるでしょう。
抜歯矯正は、症例に応じて慎重に判断する必要があります。自身の状況を理解し、長期的な視点で治療法を選ぶべきです。

矯正で4本抜歯するメリット・デメリット

矯正で4本抜歯するメリット・デメリットを詳しく解説します。
矯正で4本抜歯するメリット
矯正で4本抜歯するメリットは、3つあります。
- 噛み合わせを綺麗に調整できる
- 横顔のEラインが調整できる
- 難易度の高い症例にも適応する
それぞれを理解すれば、治療と完成をイメージしやすくなります。3つのメリットを詳しく見ていきましょう。
噛み合わせを綺麗に調整できる
4本の抜歯を行うと、歯を動かすためのスペースを確保できます。これにより、歯並びを理想的な位置に調整しやすくなります。
特に、歯が密集していたり、上下の歯のずれが大きかったりする場合に有効です。
抜歯によって生まれたスペースを利用すれば、前歯を後ろに引き込み、横に広げられます。その結果、均等な歯の配置が可能になります。見た目だけでなく、機能的にも優れた噛み合わせの実現に近づきます。
また、噛み合わせが改善されると、顎関節症や歯ぎしりなどの問題が解消される可能性があります。
正しい噛み合わせは、口腔内の健康維持にも欠かせません。
横顔のEラインが調整できる

矯正で4本抜歯するメリットは、横顔のEラインを調整できる点です。
Eラインとは、鼻先とあごの先端を結んだ線を指します。上下の唇がこのラインに触れるか、わずかに内側にある状態が理想とされています。
抜歯によって前歯を後退させると、突出した口元の改善が可能です。これにより、調和のとれた横顔を実現できます。特に、出っ歯や上顎前突を改善したい方に最適です。
横顔の改善は、見た目の問題が解消されるだけではありません。口元の突出が改善されると、口唇の閉鎖が容易になり、口呼吸の改善につながる可能性があります。
したがって、口腔内の乾燥予防や口臭の軽減を期待できるでしょう。
難易度の高い症例にも適応する
矯正で4本の抜歯をすると、非抜歯矯正では対応が難しい症例にも適応できる可能性があります。例えば、重度の叢生(※1)や、大きな上下のずれがある場合などです。
抜歯によって十分なスペースを確保すると、複雑な歯並びでもきれいな歯並びへと矯正できるようになります。これにより、理想の歯列弓(※2)の形成や、上下の歯並びを改善できます。
顎の成長が終わった成人の場合、非抜歯矯正だと限界があるケースが多いです。しかし、抜歯矯正をすると、良好な結果を得られる可能性が高くなります。
難症例への対応が可能になれば、多くの患者が満足のいく矯正治療を受けられます。
※1 叢生(そうせい):十分なスペースがなく、歯が前後に重なってしまうこと
※2 歯列弓(しれつきゅう):歯並びを上から見た時のアーチ型のこと

矯正で4本抜歯するデメリット
矯正で4本抜歯するデメリットは、3つあります。
- 健康な歯を抜かないといけない
- 抜歯にもお金がかかる
- 矯正終了までの期間が伸びる
理想の治療と照らし合わせながら検討すれば、最適な決断ができます。3つのデメリットを詳しく見ていきましょう。
健康な歯を抜かないといけない
矯正で4本抜歯するデメリットは、健康な歯を抜かなければならない可能性がある点です。抜歯の対象になるのは虫歯や歯周病に罹患していない健康な歯のため、抵抗感を生じやすくなります。
歯は抜いてしまうと二度と生えてこないため、健康な歯を抜くことへの不安を感じる方は少なくありません。また、抜歯後には一時的に噛む力が弱くなったり、食べ物が噛みづらくなったりする可能性があるため、慣れるまでに時間がかかる場合があります。
さらに、抜歯によって顔の形が変わる可能性もあるでしょう。特に、顔が細い方と高齢の方は、頬がこけたように見えてしまうことがあります。
健康な歯を抜くことは今後一生に関わる大きな決断ともなるため、きちんと医師に相談してから判断しましょう。
抜歯にもお金がかかる
矯正で抜歯が必要な場合は、抜歯自体にもコストがかかります。矯正治療の費用に加えて、抜歯の費用も必要になるため、全体的な治療費が高くなりやすいです。
抜歯の費用は歯科医院によって異なりますが、1本あたり数千円から1万円ほどが一般的です。4本の抜歯をすると、単純計算で4倍の費用がかかります。
また、抜歯後の経過観察や、抜歯部位の治癒を待つ期間も必要のため、治療全体の期間が長くなりやすいです。その結果、通院回数の増加につながるほか、時間や経済的な負担が大きくなる可能性があります。
さらに、抜歯後に痛みや腫れが生じると、追加の処置や薬の処方が必要になるケースも考えられます。予想外の出費につながる可能性があるため、事前に十分な説明を受け、費用の見積もりを確認しておきましょう。
矯正終了までの期間が伸びる
矯正で4本抜歯するデメリットは、非抜歯矯正と比較して治療期間が長くなる可能性がある点です。
また、抜歯後は歯茎の治癒に2〜3週間ほど時間がかかります。この期間中は積極的な矯正ができないため、全体の治療期間が延びることになります。
加えて、抜歯によって生じたスペースを利用して歯を移動させる過程にも、時間がかかります。特に、歯を大幅に動かす必要がある場合は、長い期間が必要です。
抜歯矯正では歯の移動量が増えるため、歯や歯周組織への負担も大きくなります。そのため、治療は歯の移動のスピードを抑えて慎重に進めなければいけません。
矯正で失敗しないためにも、事前に入念な治療計画を立てる必要があるでしょう。

矯正で抜歯が必要なケース

矯正で抜歯が必要なケースは、3つあります。
- 顎が狭くスペースが不足している場合
- 全体的な歯並びや噛み合わせが悪い場合
- 上顎前歯の位置を可能な限り下げたい場合
該当する場合は、矯正の必要性を把握して最適な治療を目指しましょう。3つのケースを詳しく解説します。
顎が狭くスペースが不足している場合
顎が狭く歯の移動スペースが不足していると、抜歯が必要になる可能性があります。日本人は欧米人に比べて顎が小さい傾向にあるため、32本の歯を適切に配置するスペースが不足してしまいがちです。
顎が小さい場合は、歯を理想的な位置に移動させるスペースを確保するために、4本の小臼歯の抜歯を行います。
スペースが不足していると、叢生と呼ばれる歯の重なりや密集を引き起こします。これらは見た目の美しさだけでなく、口腔衛生の維持も難しくする要因です。歯ブラシや歯間ブラシが届きにくい部分ができてしまい、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
しかし、抜歯でスペースを確保すれば、残りの歯を適切に配列できます。美しい歯並びをはじめ、健康的な口腔環境の実現が可能です。
ただし、抜歯の判断は慎重に行わなければいけません。顎の成長の可能性や、他の治療法の選択肢も考慮すべきです。
全体的な歯並びや噛み合わせが悪い場合

全体的な歯並びや噛み合わせが悪い場合も、抜歯が必要になる可能性があります。例えば、上下の歯のずれが大きい、前歯の突出が著しい場合などです。
これらの問題は、見た目の問題だけでなく、咀嚼機能や発音にも影響を与えるケースがあります。
特に、上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれる上の前歯が前に突き出ている状態では、抜歯で上の前歯を後ろに引っ込めると、適切な被蓋(ひがい)関係を作り出せます。これにより、噛み合わせの改善だけでなく、横顔のラインも整えられます。
また、開咬(かいこう)と呼ばれる前歯部で噛み合わせが閉じない状態の改善にも、抜歯が有効になる可能性が高いです。
上顎前歯の位置を可能な限り下げたい場合
上顎前歯の位置を可能なかぎり下げたい場合も、抜歯が必要になる可能性があります。主な目的は、審美的な理由と機能的な問題の改善です。
例えば、笑った時に歯茎が見えすぎるガミースマイルの改善や、上下の唇が閉じにくい状態の改善などが該当します。
上顎前歯を抜歯によって後方に移動させると、前歯の露出度を減らせます。また、上下の唇が自然に閉じやすくなると、口呼吸の改善にもつながりやすいです。
ただし、上顎前歯の位置を下げる治療は、顔の形態にも影響を与える可能性があります。そのため、治療前には十分なシミュレーションを行い、患者の希望と矯正歯科医の判断を擦り合わせなければいけません。

抜歯以外の選択肢

抜歯以外の選択肢は、4つあります。
- ディスキングやストリッピング治療をする
- 臼歯の後方移動を行う
- アンカースクリューを使用する
- 拡大床を使用する
それぞれ特徴が異なるので、まずは内容を把握する必要があります。4つの方法を詳しく見ていきましょう。
ディスキングやストリッピング治療をする
ディスキングやストリッピングは、歯と歯の間を削って隙間を作る方法です。主に、前歯や小臼歯の側面を薄く削り、歯を動かすためのスペースを確保します。
この方法は、軽度から中等度の叢生の改善に効果的です。
メリットは、健康な歯を抜かずに済む点です。治療期間も、抜歯矯正に比べると短くなる傾向があります。
ただし、削る量には限度があるため、重度の叢生には適さないケースがあるので注意が必要です。また、歯のエナメル質を削るため、虫歯のリスクが高まる可能性があります。
そのため、治療後は丁寧な歯磨きが欠かせません。さらに、歯の形が変わるため、見た目や噛み心地に違和感を感じることがあります。
臼歯の後方移動を行う
臼歯の後方移動とは、奥歯を後ろに動かして前歯を配列するスペースを確保する方法です。上顎の歯列弓を拡大したい場合や、軽度の上顎前突の改善に効果を期待できます。
臼歯を後方に移動させると、前歯を引っ込めるスペースができます。これにより、抜歯をせずに出っ歯を改善できるほか、歯列弓の整理が可能です。また、顎関節への負担を軽減できる可能性もあります。
ただし、臼歯の後方移動には限界があり、大幅な移動は困難です。加えて、治療期間が長くなりやすいほか、顎の成長が終わった成人の場合は効果が限定される可能性があります。
アンカースクリューを使用する
アンカースクリューとは、歯を動かす際の固定源として使用する医療用ネジのことです。顎の骨に直接埋め込むため、強力な固定力が得られます。
これにより、従来の矯正装置では難しかった複雑な歯の移動が可能です。
アンカースクリューを使用すると、臼歯を後方に移動させたり、前歯を引っ込めたりできます。したがって、抜歯せずに歯列弓を整えられるほか、出っ歯の改善が可能です。
ただし、アンカースクリューの埋め込みには外科的処置が欠かせません。また、稀に感染や脱落のリスクがあるだけでなく、保険適用外のため費用が高くなる傾向があります。
拡大床を使用する
拡大床とは、上顎や下顎を広げるために使用する装置です。主に、成長期の子どもに適用され、顎の骨を広げて歯を配列するスペースを確保します。
これにより、抜歯せずに歯列弓を拡大できます。
メリットは、顎の骨自体を広げるため、歯並びだけでなく顔の形態にも良い影響を与える可能性がある点です。鼻呼吸を改善し、睡眠時無呼吸症候群のリスクを軽減する効果も期待できます。
ただし、効果は年齢によって大きく異なります。顎の成長が終わった成人では、効果が限定的です。そのため、外科での顎の拡大が必要になる場合があるでしょう。
また、装置の装着感や違和感を感じるという人もいるため、慣れるまでに時間がかかります。

抜歯して後悔しないための注意点

抜歯して後悔しないための注意点は、4つあります。
- セカンドオピニオンを受ける
- 自分がどうしたいのか医師に伝える
- 抜歯後のシミュレーションを見せてもらう
- 矯正終了後の噛み合わせについても考える
それぞれを把握すれば、最適な抜歯矯正を実現できます。失敗しないためにも、4つの注意点を理解しておきましょう。
セカンドオピニオンを受ける
セカンドオピニオンを受けることは、矯正治療を検討する上で欠かせません。自分の症例に対する理解が深まるだけでなく、適切な治療法を選択できる可能性が高まります。
メリットと注意点は、以下のとおりです。
メリット | 注意点 |
診断や治療方針の妥当性確認 | 主治医への事前相談が必要 |
治療の選択肢が広がる | ドクターショッピングに陥らない |
客観的な評価が得られる | 資料準備の費用がかかる |
治療への不安軽減 | 保険適用外の場合がある |
受ける際は、現在の担当医から紹介状や資料(レントゲン写真、口腔内写真など)を受け取る必要があります。これらの資料作成には、通常10,000〜30,000円ほどの費用が必要です。
受けた後は必ず元の医療機関で、結果を報告しましょう。これにより、最適な治療方針を見出せます。
ただし、セカンドオピニオンは新たな主治医を探すためのものではありません。目的を誤らないよう注意してください。
自分がどうしたいのか医師に伝える
矯正治療の目標は患者によって異なるため、自分の希望を明確に矯正歯科医へ伝えなければいけません。満足度の高い治療結果を得るためには必須です。
医師に伝えるべき主な項目と具体例は、以下を参考にしてください。
伝えるべき項目 | 具体例 |
治療の主な目的 | 見た目の改善、噛み合わせの改善など |
気になる部分 | 出っ歯、すきっ歯、八重歯など |
治療期間の希望 | できるだけ短期間、じっくり時間をかけるなど |
装置の種類の希望 | 目立たない装置、取り外し可能な装置など |
抜歯に対する考え | 抜歯は避けたい、抜歯してもよいなど |
予算の制限 | できるだけ費用を抑えたい、予算の上限など |
医師に希望を伝える際は、具体的かつ率直に話しましょう。ただし、患者の希望と最適な治療法が必ずしも一致するとは限りません。そのような場合は、医師とよく相談し、妥協点を見つけるとよいでしょう。
また、治療の過程で疑問や不安が生じた場合は、遠慮なく医師に相談してください。良好なコミュニケーションが取れれば、より良い治療結果につなげられます。
抜歯後のシミュレーションを見せてもらう
抜歯後のシミュレーションを見せてもらうと、治療過程だけでなく治療結果のイメージも掴みやすくなります。近年は技術の進歩により、コンピューターを使用した具体的なシミュレーションが可能です。
シミュレーションで確認すべき項目と内容は、以下を参考にしてください。
確認すべき項目 | 内容 |
歯並びの変化 | 抜歯前後の歯の位置や角度の変化 |
顔の形の変化 | 口元や頬の形状の変化 |
噛み合わせの改善 | 上下の歯の噛み合わせ状態の変化 |
治療期間の予測 | 抜歯から治療完了までの予想期間 |
段階的な変化 | 治療過程における歯並びの変化 |
シミュレーションを見る際は、矯正歯科医に詳しい説明を求め、不明な点があれば質問しましょう。
ただし、結果はあくまで予測であり、実際の治療結果と完全に一致するわけではありません。個人差や治療中のさまざまな要因により、結果が変わる可能性は十分にあります。
可能であれば、抜歯矯正と非抜歯矯正のシミュレーションを比較し、それぞれのメリットとデメリットを検討しましょう。これにより、最適な治療法を選ぶための判断材料が増えます。
矯正終了後の噛み合わせについても考える
矯正治療の目標は、見た目の美しさだけでなく、機能面でも優れた噛み合わせを実現することです。そのため、矯正終了後の噛み合わせについても十分に考慮しなければいけません。
以下は、矯正終了後の噛み合わせに関する考慮点をまとめた表です。
考慮点 | 内容 |
咀嚼効率 | 食べ物を効率よく噛み砕けるか |
発音 | 明瞭な発音ができるか |
顎関節の健康 | 顎関節に負担がかからないか |
審美性 | 笑顔時の歯の見え方は自然か |
安定性 | 治療後も噛み合わせが安定しているか |
メンテナンス | 定期的なケアや保定装置の必要性 |
理想の噛み合わせは、これらの要素がバランスよく整っている状態です。矯正歯科医と相談しながら、自分にとって最適な噛み合わせについて考えましょう。
また、矯正終了後の噛み合わせの安定性にも注意が必要です。治療が終了した後も定期的なメンテナンスや、必要に応じて保定装置の使用が必要となる場合があります。
したがって、噛み合わせの維持は長期的な視点で考慮しなければいけません。具体的なシミュレーションは、後悔しない矯正治療につながります。
さらに、矯正終了後の生活習慣や口腔ケアの方法も、事前に矯正歯科医からアドバイスをもらいましょう。
これらの点を考慮すれば、満足度の高い矯正治療を実現できるはずです。

抜歯矯正に関する気になる質問

抜歯矯正に関する質問は、以下のとおりです。
- 抜歯はどのタイミングで行いますか?
- 抜歯した後すぐに矯正を始められますか?
- 4本同時に抜歯できますか?
- 抜歯矯正は保険適用ですか?
ここでは、それぞれの質問に回答していきます。
抜歯はどのタイミングで行いますか?
抜歯のタイミングは、治療計画によって異なります。一般的には、矯正装置を装着する前か、装着してから間もない時期に行いますです。理由は、抜歯によって生じたスペースを効率的に利用して歯を移動させるためです。
矯正装置を装着する前に抜歯をする場合は、抜歯部位の治癒を待ってから矯正治療を開始します。これにより、抜歯部位の骨が回復した状態で歯の移動を始められます。
一方、矯正装置を装着した後に抜歯をする場合もあります。これは、初期の歯の移動を観察した後、適切な抜歯位置を決定するためです。
ただし、抜歯のタイミングは症例によって異なるため、最終的には矯正歯科医の判断に基づいて決定されます。したがって、治療計画について十分な説明を受け、疑問点があれば遠慮なく質問しましょう。
抜歯した後すぐに矯正を始められますか?
抜歯した後すぐに矯正治療を開始できるかどうかは、症例や抜歯の状況によって異なります。一般的には、抜歯部位の治癒を待ってから治療を開始するケースが多いです。
個人差はありますが、抜歯後の治癒期間は通常2〜3週間ほどです。期間中は抜歯部位の骨が徐々に形成され、周囲の軟組織も安定していきます。したがって、十分な治癒を待てば、その後の矯正治療を安全かつ効果的に進められます。
ただし、抜歯直後から軽度の矯正力を加えるケースもあります。これは、抜歯部位の骨吸収を最小限に抑え、周囲の歯の傾斜を防ぐためです。このようなケースでは、抜歯と同時に矯正装置を装着する可能性もあります。
矯正治療の開始時期は、抜歯の状況、全体的な治療計画、患者の口腔内の状態などを総合的に判断して決定するのが一般的です。そのため、具体的なスケジュールは、担当の矯正歯科医と相談しながら決めていきます。
4本同時に抜歯できますか?
4本同時の抜歯は技術的には可能ですが、一般的ではありません。患者さんの負担や治療の進行状況を考慮して、複数回に分けて抜歯を行います。
4本を同時に抜歯するメリットは、一度の処置で済むため通院回数を減らせるほか、全体的な治療期間を短縮できる点です。
デメリットは、患者への身体的・精神的負担が大きくなる、術後の腫れや痛みが強くなる、合併症が生じた場合の影響が大きくなる点です。そのため、多くの矯正歯科医は、2回に分けて抜歯を行います。
例えば、上顎の2本を抜歯し、治癒を確認してから下顎の2本を抜歯するといった流れです。これにより、患者の負担を軽減できるほか、安全に治療を進められます。
ただし、抜歯の方法や順序は症例によって異なります。最終的な判断は、患者の状態や希望を考慮しつつ、矯正歯科医が行うのでコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。
抜歯矯正は保険適用ですか?
抜歯矯正の保険適用は、症例や治療内容によって異なります。矯正治療自体は保険適用外ですが、抜歯に関しては一部保険が適用される場合があります。
矯正治療のための抜歯は、顎変形症や顎関節症などの病名がつかない限り、保険適用外です。理由は、美容目的の治療とみなされるためです。
ただし、以下に該当する場合は保険が適用される可能性があります。
- 顎変形症の診断がついている場合
- 埋伏歯(正常に生えていない歯)の抜歯
- 重度の叢生(歯の密集)で、歯周病のリスクが高い場合
保険適用の可否は症例によって異なるため、詳細は担当の矯正歯科医に確認しなければいけません。また、保険適用外の場合でも、医療費控除の対象になる可能性があるため、確定申告の際に確認するとよいでしょう。
なお、矯正治療は自費診療になるため、治療費用や支払い方法については事前に十分な説明を受け、理解しておく必要があります。

抜歯矯正は長期的な視点で決断しましょう
抜歯矯正は、歯並びや噛み合わせの改善に適した治療法です。しかし、健康な歯を抜く決断は慎重に行う必要があります。
抜歯を選択する際は、長期的な視点で検討するべきです。
適切な抜歯矯正は、歯列弓の形を整え、噛み合わせを改善し、横顔のラインを整えられます。これらの改善は、見た目だけでなく、口腔衛生の維持や顎関節の健康にも良い影響を与える可能性が高いです。
一方、慎重に検討しなければいけない点もあります。例えば、健康な歯を抜くことへの抵抗感、治療期間が長くなる可能性、顔の形が変わる不安です。
これらの懸念点については、矯正歯科医と十分に相談し、最適な選択肢を見つけてください。
抜歯矯正は長期的な視点で考えると、歯並びの安定性が高くなるほか、後戻りのリスクが低いメリットがあります。また、虫歯や歯周病のリスクを減らす可能性もあるでしょう。
これらのメリットも考慮し、他の矯正と十分に比較した上で最適な治療を選択してください。
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治療中は専属の医療チームが寄り添います。
エミニナル矯正では、マウスピース矯正が向いていない方には「無理に治療をお勧めしない」「他の治療方法を含めた適切な治療をご提案する」、経験豊富な歯科医師が「適切に治療判断する」ことを大切にしています。
矯正医院やセカンドオピニオン先をお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。


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