矯正治療を始めるにあたって、インビザラインとワイヤー矯正のどちらで治療をするか迷われる方が多くいます。なかには「どっちが早い?」と、短期間で歯並びを整えられる治療法を希望される方もいるでしょう。
本記事では、インビザラインとワイヤー矯正のどちらのほうが早く治療を完了するかについて詳しく解説しています。治療期間を重視する方は最後までお読みください。


インビザラインとワイヤー矯正はどっちが早い?

インビザラインとワイヤー矯正の治療期間はそれほど大差はありません。
ただし、インビザラインとワイヤー矯正はそれぞれに得意とする歯の動きがありますので、症例に適した治療法を選択することで治療期間は短縮できるでしょう。
ここでは、インビザラインとワイヤー矯正の一般的な治療期間について解説します。
インビザラインの平均的な治療期間
インビザラインの平均的な治療期間は2〜3年程度です。
インビザラインの場合、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換して歯を少しずつ動かします。1枚のマウスピースあたり0.25〜0.3mm程度ずつ歯を動かしますので、1ヶ月で0.5〜1mm程度歯が移動することになります。
ただし、これは1日22時間以上マウスピースを装着していることを前提とした話です。マウスピースの装着時間が不足している場合は、十分な矯正力を歯に加えられないため、計画通りに歯を動かすことはできません。
インビザラインで予定通りに歯を動かしたいのであれば、マウスピースの装着時間を守るようにしましょう。
ワイヤー矯正の平均的な治療期間
ワイヤー矯正の平均的な治療期間は1〜3年程度です。
一般的にはインビザラインよりもワイヤー矯正のほうが強い矯正力が加わるため、より早く歯を動かせる傾向にあります。
とはいえ、ワイヤー矯正の場合も1ヶ月に歯が動くのは0.5〜1mm程度です。
ワイヤー矯正の場合は、インビザラインとは違い、装置が固定式であるため常に矯正力が歯に加わります。装置の装着時間を自分で管理しなくても自然と治療が進みます。
ただし、矯正治療中に虫歯になったり装置が外れたりすると一時的に矯正治療を中断しなくてはならない場合もあります。虫歯の程度にもよりますが、インビザラインであれば矯正治療と平行して虫歯治療が可能であるケースも少なくありません。
ワイヤー矯正は装置の着脱の必要はありませんが、スムーズに治療を進めるためには口腔ケアは欠かせません。

インビザラインとワイヤー矯正の特長

インビザラインとワイヤー矯正で悩まれている方は、まずはそれぞれの治療法の特徴を理解しておくとよいでしょう。
インビザラインとワイヤー矯正のメリット・デメリットをまとめていますので参考にしてみてください。
インビザラインの特長
インビザラインは透明のマウスピースを1日に22時間以上装着することで歯に矯正力を加え、歯を動かす治療法です。矯正装置が目立ちにくいため、治療期間中の見た目を気にされる方におすすめです。
しかし、マウスピースの装着時間を守らなければ計画通りに歯を動かすことができません。
また、インビザラインは虫歯になりにくいと思われている方も多いですが、お口のケアと同時に装置の洗浄も徹底しなければ虫歯リスクが高まります。
インビザラインの主なメリットは以下の5つです。
- 矯正装置が目立ちにくい
- 違和感が少ない
- 痛みが少ない
- 普段通りに歯磨きができる
- 食事制限がない
インビザラインの主なデメリットは以下の5つです。
- マウスピースの装着時間を守らなければならない
- 紛失や破損しないよう保管する必要がある
- 飲食の度にマウスピースを外さなければならない
- 飲食後は歯磨きと装置の洗浄をしてから再び装置を装着する必要がある
- 適用症例が限られている
ワイヤー矯正の特長
ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットとよばれる矯正装置を接着し、その上にワイヤーを通して矯正力を加える治療法です。昔からある矯正方法であり、治療実績が豊富で幅広い症例に対応できる特徴があります。
しかし、矯正装置の見た目に抵抗がある方も少なくありません。矯正装置が目立たないよう矯正装置を歯の裏側に装着する「舌側矯正(裏側矯正)」や「ハーフリンガル矯正」という選択肢もありますが、複雑な治療となるため、費用が高くなります。
また、舌側矯正やハーフリンガル矯正はより高度な治療技術と専門知識が必要であるため、どの歯科医院でも対応しているわけではありません。
ワイヤー矯正の主なメリットは以下の3つです。
- 治療実績が豊富
- 幅広い症例に対応可能
- 装置の装着時間を管理する必要がない
ワイヤー矯正の主なデメリットは以下の3つです。
- 慣れるまで装置の違和感がある
- 矯正装置が目立ちやすい
- 歯磨きが難しくなるため、よりていねいなケアが必要

インビザラインの治療期間が早くなる場合

少しずつ矯正力を加えるインビザラインでも治療期間が早くなるのは以下の4つのケースです。
- 歯並びの難易度が軽度な場合
- 部分矯正を選んだ場合
- 装着時間を守って装着した場合
- 加速装置を使用した場合
それぞれのケースを詳しく解説しますので、インビザライン矯正で治療期間を短縮したい方は参考にしてください。
歯並びの難易度が軽度な場合
軽度な歯並びの乱れであれば、インビザラインの治療期間が短くなる可能性があります。
軽度な歯並びの場合、複雑な歯の動きが必要ないためスムーズな歯の移動が可能です。一般的なインビザラインの治療期間よりも早くに治療が完了するでしょう。
部分矯正を選んだ場合
部分矯正とは一部の歯のみを動かす矯正治療です。一般的には前歯のみを動かします。
部分矯正であれば全体の歯を動かす必要がないため、大幅に治療期間を短縮できます。1年以内に治療が完了するケースも少なくありません。
ただし、部分矯正が適用する症例は限られています。大きく歯を動かす必要がなく、噛み合わせが変わらない症例のみとなります。
装着時間を守って装着した場合
インビザラインでスムーズに治療を進めるためには、マウスピースの装着時間を守ることは必須です。インビザラインは1日22時間以上マウスピースを装着することを前提として歯の動きを考慮し、治療計画を立てています。
そのため、マウスピースの装着時間が不足していれば計画通りに治療を進められない可能性が高まります。
歯科医師の指示通りに治療に取り組んでいれば、順調に歯も動き、治療期間を短縮できることもあります。
加速装置を使用した場合
インビザラインと加速装置を併用することで治療期間が短縮できる可能性が高まります。
加速装置は光加速矯正装置といわれるもので、LEDの近赤外線ライトを歯周組織に照射することで歯の周辺組織の活性化と血流の増加を促進し、歯の動きをスピードアップさせられるものです。
通常であれば7〜10日ごとに新しいマウスピースに交換しますが、加速装置を使用した場合、最短で3日ごとに新しいマウスピースへの交換が可能になります。治療期間で表すと最大で1/2程度まで短縮でき、矯正治療中の痛みも軽減できる効果も期待できます。

ワイヤー矯正の治療期間が早くなる場合

ワイヤー矯正で治療期間が短縮できるケースは以下の2つです。
- 骨密度が適度な場合
- 大幅な歯の移動が必要な場合
それぞれのケースを詳しく解説しますので、ワイヤー矯正で治療期間を短縮させたい方は参考にしてください。
骨密度が適度な場合
歯が動くスピードは骨密度が深く関係します。
歯は歯槽骨とよばれる骨の中に埋まっていますが、若くて健康な人の場合は骨密度が適度で骨が柔らかいために矯正力が伝わりやすく、スムーズに歯が動く傾向にあります。
加齢とともに骨密度は低下しやすく、骨密度が低いと矯正による骨の変化に時間がかかるため治療スピードも遅くなる可能性があります。
大幅な歯の移動が必要な場合
ワイヤー矯正は持続的に矯正力が加わるため、大幅に歯を移動する症例にも効率よく対応できます。
インビザラインの場合は、大きく歯を動かす必要がある症例は治療が難しいことが多くありますが、ワイヤー矯正であれば効率よく歯を動かせるため治療期間の短縮が期待できます。

インビザラインとワイヤー矯正はどっちがおすすめ?

インビザラインとワイヤー矯正のどちらの治療法が適しているかは、症例や患者さまのライフスタイル、重視するポイントによって異なります。
それぞれの治療法について、おすすめの人の特長をまとめてみましたので参考にしてみてください。
インビザラインがおすすめの人の特長
インビザラインが適しているのは以下のような方です。
- 目立ちにくい矯正装置を希望される方
- マウスピースの装着時間を守れる方
- 痛みや違和感が心配な方
- 金属アレルギーがある方
インビザラインは装置が目立ちにくく、ワイヤー矯正と比べて痛みや違和感も少ない矯正治療法です。装置の見た目や、違和感・痛みに不安がある方はインビザラインが適しているでしょう。
また、金属を使用しないため金属アレルギーがある方でも治療が可能です。
ただし、マウスピースの装着時間や装置の適切な保管ができなければ、治療期間が長引く恐れがありますので、歯科医師の指示に従って治療を進めることが大切です。
ワイヤー矯正がおすすめの人の特長
ワイヤー矯正が適しているのは以下のような方です。
- 治療の難易度が高い歯並びの方
- 装置の管理が面倒な方
- 治療期間が長引くのが心配な方
複雑な歯並びや、大きく歯を動かす必要がある症例の場合、インビザラインでは対応が難しくワイヤー矯正での治療が必要となることもあります。
また、ワイヤー矯正は装置が固定式であるため、装置の着脱の必要がなく持続的に矯正力が加わります。
「飲食の度に装置の着脱をするのが面倒」「装着時間を守れるか心配」「装置を紛失してしまいそう」という方はワイヤー矯正のほうが適しているでしょう。ワイヤー矯正であれば、装置の装着時間は関係なく治療を進められるため、治療計画通りに終了したいという方にもおすすめです。

まずは歯科医院で無料相談
矯正治療法の選択で悩まれる方は多くいらっしゃいます。症例によっても適切な治療法は異なるため、まずは歯科医院で相談してみるとよいでしょう。
また、マウスピース矯正はインビザライン以外にもさまざまな種類があります。
マウスピース矯正の1つであるエミニナル矯正であれば、実績が豊富で矯正を専門とする歯科医師が治療を担当することになっています。無料相談も実施していますので、どのような治療法が適しているか不安な方はまずは問い合わせてみることをおすすめします。
「最低2回」の通院で治療が可能なマウスピース矯正もあります!
「エミニナル矯正」なら最低限の通院で治療ができるので、はじめの方のみ通院できれば場所にとらわれることなくマウスピース矯正を完結させられます。
総治療患者数2,000名以上の矯正治療を専門とした歯科医師(ドクター)が1人ひとりに合った治療計画を立て納得の仕上がりへ。
治療中は専属の医療チームが寄り添います。
エミニナル矯正では、マウスピース矯正が向いていない方には「無理に治療をお勧めしない」「他の治療方法を含めた適切な治療をご提案する」、経験豊富な歯科医師が「適切に治療判断する」ことを大切にしています。
矯正医院やセカンドオピニオン先をお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。


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