子供の矯正(小児矯正)にかかる費用はいくら?安く抑える方法と保険適用の条件について解説

子供の矯正にかかる費用はいくら?安く抑える方法と保険適用の条件について解説 歯科矯正

お子さまの歯並びが気になり矯正治療を検討している保護者の方は少なくありません。

子供の矯正治療はお金がかかるので、費用面で不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、子供の矯正の費用について詳しく解説しています。治療別の費用相場や費用を抑える方法、支払い方法などを説明しています。

費用だけでなく、子供の矯正の治療の種類も理解できるようになりますので、お子さまの歯並びに悩まれていて矯正治療を検討中の方はぜひご参考にしてください。

 

子供の矯正(小児矯正)とは?

子供の矯正(小児矯正)とは?

子供の矯正とは「小児矯正」とも呼ばれ、多くの場合、永久歯に生え変わる6歳頃から治療を開始します。小児矯正の特長は、成長期に矯正治療を行うことで顎の成長を活かした治療を行える点です。大人の場合は顎の成長が止まっているため、歯の動きだけで歯並びを整えなければなりません。

小児矯正を大きく分類すると1期治療と2期治療に分けられ、それぞれ治療目的や治療内容が異なります

1期治療は、上下の顎のバランスを整えて永久歯がきれいに並ぶための準備をすることが目的です。顎の成長を促したり抑えたり調整します。永久歯が並ぶためのスペースがない症例では、歯列を拡げる治療を行ったり、出っ歯の症例では顎の成長を抑える治療を行ったりします。

一方で、2期治療は大人の矯正のように永久歯が生え揃ってから、歯並びを整える治療を行います。使用する矯正装置も大人の矯正と同じで、ワイヤー矯正またはマウスピース矯正の選択が可能です。

1期治療と2期治療のどちらも絶対に必要というわけではありません。

1期治療を行うことで歯並びが整い、2期治療が必要ないケースもあります。上下の顎バランスに問題がなければ、1期治療を行わず2期治療からスタートすることもあったり、1期治療・2期治療のどちらも必要なケースもあったりするのです。

子供の矯正治療はお口の状態や成長によって、一人ひとり適切な治療開始時期や治療期間は異なります。

【1期治療と2期治療の違い】

1期治療2期治療
目的永久歯がきれいに生えるための前準備を行う。顎の成長を利用した治療。永久歯が生え揃ってから、歯並びや噛み合わせを整える。
矯正装置拡大床、クワドヘリックス、急速拡大装置、インビザラインファースト、プレオルソマイオブレイスムーシールドなどの装置を症例によって使い分ける。ワイヤー矯正またはマウスピース矯正。
治療開始時期永久歯に生え変わる6歳頃から治療を開始することが多い。ただし、反対咬合(受け口)などの症例では、3歳頃から治療を開始できるものもある。永久歯が生え揃う12歳頃から、治療を開始する。

子供の矯正(小児矯正)にかかる費用

子供の矯正(小児矯正)にかかる費用

子供の矯正にかかる費用相場は30〜50万円程度です。

1期治療から始めるのか、2期治療から開始するのか、1期治療と2期治療のどちらも必要かによって費用は異なります

ここでは1期治療と2期治療のそれぞれにかかる費用について詳しく説明していますので、費用面が気になる方はご参考にしてください。

1期治療でかかる費用

子供の矯正の1期治療でかかる費用相場は30〜50万円程度です。

1期治療は症例によって使用する矯正装置が異なるため、費用も大きく異なります。3万円程度の矯正装置もあれば40万円ほどかかる矯正装置もあります。

さらに矯正治療を開始するためには、以下の費用も必要です。

  • 初診相談料
  • 精密検査と診断料

初診相談料は無料で実施している歯科医院も少なくありません。ある程度の検査を行った上で詳しい矯正相談をする場合は5,000円程度費用がかかることもあるでしょう。

そして、矯正治療を始めることが決定した場合は、まずは精密検査と診断を行ったうえで治療計画を立てます。精密検査ではレントゲン撮影、セファロ撮影、歯型取り、口腔内写真撮影などを行います。

精密検査・診断料は5万円程度必要です。この初診相談料と精密検査・診断料に加えて矯正装置の費用と調整料がかかります。

【1期治療で必要な費用】

初診相談料無料〜5,000円程度
精密検査・診断料5万円程度
矯正装置代3〜40万円程度
調整料1回の処置につき5,000円程度

2期治療でかかる費用

子供の矯正の2期治療でかかる費用相場は30〜150万円程度です。

費用の幅が広い理由は、1期治療から2期治療に移行する場合と、2期治療から始める場合では大きく異なるからです。

1期治療から2期治療に移行する場合は、歯科医院で料金の調整を行われることが多く、1期治療の追加費用として30〜50万円程度必要になることが多いでしょう。

一方で、2期治療から開始する場合は、80〜150万円程度の費用が必要です。さらに1期治療を開始する時と同様に初診相談料や精密検査・診断料もかかります。

また、2期治療を行った後は、歯並びが再度乱れないよう保定装置を使用します。その際に保定装置代や経過観察費用が必要です。

【2期治療で必要な費用】

初診相談料無料〜5,000円程度
精密検査・診断料5万円程度
矯正装置代80〜150万円程度
調整料1回の処置につき5,000円程度
保定装置2〜6万円程度※歯科医院によって矯正治療費に含まれていることもある
経過観察費用3,000〜5,000円程度

【2期治療で用いられる矯正装置の種類】

特長費用
マウスピース矯正透明のマウスピースを1日22時間以上装着して歯を動かす矯正治療。装置の着脱が可能。80〜100万円程度
ワイヤー矯正歯の表面にブラケットとよばれる装置を接着し、ワイヤーを通して歯に矯正力を加える方法。昔から用いられている矯正治療で、装置は固定式で取り外しができない。80〜100万円程度
ハーフリンガル矯正装置が目立ちやすい上顎は歯の裏側に装置を接着し、装置が目立ちにくい下顎は表側に装置を接着する方法。舌側矯正より費用を抑えて目立ちにくい治療が可能。100〜130万円程度
舌側矯正(ぜっそくきょうせい)上下ともに歯の裏側に装置を接着する矯正治療。装置が目立ちにくいため、矯正治療期間中の見た目が気になる方に適している。より高度な治療技術が必要になるため、費用が高めに設定されている。120〜150万円程度

子供の矯正装置の種類

子供の矯正装置の種類

小児矯正で使用する矯正装置は、1期治療と2期治療では大きく異なります。2期治療ではワイヤー矯正もしくはマウスピース矯正で治療を行いますが、1期治療の場合は症例に応じて適切な矯正装置を選択しなければなりません。

1期治療で用いられる主な矯正装置は以下の7つです。

  • 拡大床
  • クワドヘリックス
  • 急速拡大装置
  • インビザラインファースト
  • プレオルソ
  • マイオブレイス
  • ムーシールド

それぞれの矯正装置の特長を詳しくご説明します。

拡大床

拡大床(かくだいしょう)は、ネジが埋め込まれた入れ歯のように取り外しが可能な装置です。歯がきれいに並ぶためのスペースが足りない場合に用いられます。顎自体を拡げることはできませんが、歯を外側に傾斜させて歯列の幅を拡げることが可能です。

クワドヘリックス

クワドヘリックスは、固定式の拡大装置です。側方に歯列を拡大させたい時に用いられます。拡大床のように取り外しができないため、装着時間によって効果が左右されることがなく、装置を紛失する恐れもありません。

ただし、固定式であるために歯磨きが難しく、虫歯にならないようていねいなケアが必要です。

急速拡大装置

急速拡大装置は上顎骨を側方に拡大することができる固定式の装置です。上顎骨に力を加えて正中口蓋縫合を離開させて顎を拡げます。歯が並ぶためのスペースがない場合に使用されます。

上顎の成長を促進できるため、上顎の成長期である年齢のお子さまに効果的な治療法です。

急速拡大装置も固定式であるため、虫歯にならないようよりていねいなケアが必要です。

インビザラインファースト

インビザラインファーストは、成長過程子供用のマウスピース矯正です。

インビザラインファーストは、歯が並ぶスペースを確保する1期治療と同時に、歯並びも整えられる治療法です。効率よく矯正治療を進行できるため、2期治療が不要になったり、2期治療を短縮できたりする可能性があります。

インビザラインファーストは1日に20時間以上マウスピース型の矯正装置を装着しなければなりません。歯磨きや食事以外はほぼ1日中装置を使用しなければならないのです。この装着時間を守らなければ十分な効果が期待できないため、お子さま自身のやる気も必要となる治療法です。

プレオルソ

プレオルソもマウスピース型の装置ですが、矯正力を加えて歯を動かすものではありません

プレオルソは、歯並びや噛み合わせを悪化させる原因を取り除くために使用される装置です。舌や口周りの筋肉を正しく使用できるよう促します。

装置の装着時間は就寝中と日中の1時間程度のみであるため、お子さまも負担に感じにくいでしょう。

子供のうちから正しい口周りの筋肉の使い方を習得しておくことで、矯正治療で歯並びを整えた後も後戻りを防げるようになります。

マイオブレイス

マイオブレイスもプレオルソと同じく、矯正力を加えるものではありません歯並びや噛み合わせに影響するような癖を改善するために用いられるマウスピース型の装置です。口周りの筋力バランスを整え、きれいな歯並びへと導くことを目的とした治療です。

装置の装着時間は就寝中がメインで日中は1〜2時間程度です。

プレオルソは上下一体型の装置あるのに対し、マイオブレイスは片顎型となっています。

ムーシールド

ムーシールドもマウスピース型の矯正装置ですが、ムーシールドは反対咬合(受け口)の症例に使用します。3歳頃から使用できる装置で、主に就寝時に装置を装着します。舌や口周りの筋肉の正しい使い方を訓練して顎の成長を促し、反対咬合を改善します。

子供の矯正は保険適用される?

子供の矯正は保険適用される?

子供の矯正治療は基本的に保険が適用されません。自由診療となります

しかし、一部のケースでは保険が適用されることもありますので、保険が適用される条件に当てはまるか一度確認してみましょう。

保険適用される条件

子供の矯正治療で保険が適用される条件は以下の3つです。

  • 厚生労働大臣が定める疾患
  • 永久歯の前歯及び小臼歯のうち3本以上の萌出不全
  • 顎変形症の術前・術後の矯正

唇顎口蓋裂などの先天的な疾患が原因で咬合異常となっている場合に保険が適用されることがあります。厚生労働大臣が定める疾患は60種類以上あるので、詳しい疾患の種類を知りたい方は日本矯正歯科学会のHPで確認してみるとよいでしょう。

また、永久歯の前歯や小臼歯が3本以上生えてこない場合も保険が適用されます。ただし、この場合は一般的な矯正治療だけでなく歯茎を切開する治療も必要です。

そして、顎変形症と診断され、外科的な治療が必要である場合の術前・術後の矯正治療も保険が適用されます。

保険適用で抑えられる費用

保険が適用されるケースの場合、大幅に費用を抑えられます

先天疾患による不正咬合の治療は、3割負担の場合で自己負担額が30〜50万円程度です。

顎変形症であれば、同じく3割負担で矯正治療は30〜50万円程度、外科手術で40〜50万円程度となります。保険が適用されない自由診療だと数百万円は治療費がかかるため、保険が適用されれば費用面の負担を軽減できます。

子供の矯正費用を安く抑える方法

子供の矯正費用を安く抑える方法

保険が適用されない場合も、子供の矯正費用を安く抑える方法はあります

費用を抑える方法は以下の3つです。

  • 安価な治療法を選択する
  • 医療費控除を利用する
  • モニター募集を利用する

それぞれの方法を詳しく説明します。

安価な治療法を選択する

お子さまの矯正治療の費用を抑えたい場合、より安価な治療法を選択するのも1つの方法です。

小児矯正は、治療方法の選択肢が複数あったり、歯科医院によって費用が異なったりします。矯正装置の見た目に配慮した治療や、より高度な治療技術を必要とする治療は費用が高くなりがちです。このような高額な治療を避ければ費用は抑えられます

医療費控除を利用する

医療費控除とは、1年間に支払った医療費の総額が10万円を超えている場合に、所得税が一部控除されるというものです。医療費控除は審美目的の治療は適用されないため「子供の矯正治療は認められないかも……」と心配な方もいらっしゃるでしょう。

矯正治療であっても治療目的の場合は医療費控除が適用されます。

特に子供の矯正治療は、成長過程の歯並びを整えることで将来的に健康リスクを軽減できると捉えられるため、ほとんどの場合に医療費控除が適用されます。

モニター募集を利用する

モニター募集を利用することで費用が安くなることがあります。

モニターとして治療を受けると割引が適用され、矯正治療費を抑えられます。ただし、モニターとして治療を受ける条件があり、歯並びや年齢、治療法など歯科医院が求めている条件に適していなければなりません。

モニターとして治療を受けられるかどうかは、モニターを募集している歯科医院で確認してみましょう。

子供の矯正の支払い方法

子供の矯正の支払い方法

費用だけでなく、支払い方法に不安を感じる方も少なくありません。

支払い方法は歯科医院によって異なるため、事前に確認しておく必要がありますが、多くの歯科医院で導入している支払い方法は以下の3つです。

  • デンタルローン
  • 全額支払い(トータルフィー)
  • 処置別支払い

主な支払い方法は上記の3つですが、歯科医院によっては現金の分割払いやクレジットカード払いが可能なケースもあります。

支払い方法に不安がある方は、初回相談時に確かめておきましょう。

デンタルローン

デンタルローンとは、高額な歯科治療に対応したローンです。小児矯正のような高額な治療費も分割払いが可能であるため、一度に支払う金額を抑えられるメリットがあります。

小児矯正の費用が貯まるまで待つ必要がないため、すぐに治療を始めたい方や、一度に全額を支払うのが難しい方に適しています。

カードローンと比べると低金利ではありますが、利息が発生するので注意しましょう。また、デンタルローンを利用するには審査が必要です。

全額支払い(トータルフィー)

矯正治療にトータルフィー制度を導入する歯科医院が増えてきました。トータルフィーとは、矯正治療に必要なすべての処置費用の総額を事前に患者さまに伝えておくシステムです。

矯正治療の総額が明確であり、追加で費用が発生することもありません

一般的には矯正治療費とは別に、検査費用や調整料などが必要です。トータルフィーであれば、これらの費用も全て含まれているので、治療期間が長引いたり、追加で装置が必要になったりした場合も急な出費を心配する必要がありません。

処置別支払い

処置別支払いとは、矯正治療に必要な処置を行うたびに費用を支払うシステムです。どのような治療でどれくらいの費用が発生するのか処置別の費用をはっきりさせたい方に向いています。

トータルフィーの場合は、治療期間が長引いても追加費用が発生することはありませんが、治療期間が予定より短くなったとしても減額することもありません

一方で、処置別支払いの場合は治療期間に応じた支払いをするため、長引けば費用が高くつきますが、短縮できれば余分な費用を支払う必要がありません。

子供の矯正をするならエミニナル矯正がおすすめ!

2期治療は、ワイヤー矯正かマウスピース矯正かのどちらかの方法で治療を行います。

ワイヤー矯正は昔から用いられている矯正治療であるため、治療実績が豊富で適用症例の幅も広いメリットがありますが、最近は装置が目立ちにくいマウスピース矯正が人気な傾向にあります。

マウスピース矯正もさまざまなブランドがあるため、選択に悩まれている方も多いのではないでしょうか。

エミニナル矯正というマウスピース矯正であれば、矯正治療を専門とする歯科医師が対応するため適切な治療を受けられます。矯正治療は専門性の高い治療であり、専門知識や技術、経験が必要となる分野です。しかし、日本では矯正治療を専門としない一般歯科医でもセミナーを受講すればマウスピース矯正を導入できるのです。

専門知識や経験がない歯科医師のもとでマウスピース矯正を受け、納得のいく治療結果にならず再度矯正治療を受けなければならない方も増えています。

エミニナル矯正は矯正専門の歯科医師のみが治療を担当することができるため、歯科医師選びに不安な方におすすめです。

 

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