マウスピース矯正の仕組みとは?ワイヤー矯正との違いやメリット・デメリットまで総まとめ

マウスピース矯正の仕組みとは?ワイヤー矯正との違いやメリット・デメリット、治療の流れまで総まとめ 歯科矯正

「マウスピース矯正ってどうやって歯を動かすの」と、歯が動く仕組みが気になっていませんか?

ワイヤー矯正とは異なり、透明のマウスピースを交換するだけで歯が動くことに、疑問を抱く人も少なくありません。

本記事では、マウスピース矯正の基本的な仕組みや治療の流れ、ワイヤー矯正との違い、使用時に気をつける点などを詳しく解説します。

 

マウスピース矯正で歯が動く仕組み

マウスピース矯正で歯が動く仕組み

マウスピース矯正は、一人ひとりの歯並びに合わせて作成された透明な装置を、定期的に交換しながら歯を動かす治療法です。

歯にかかる圧力を均等に分散させるように設計されており、定期的にマウスピースを交換しながら少しずつ歯を移動させます。

マウスピースを装着することで歯に継続的に力が加わり、歯根膜(歯の根元を取り巻く組織)の一部が縮み、反対側が引き伸ばされる現象が起こります。

この過程で、歯を支える骨が吸収・再生を繰り返し、歯が新しい位置に移動していきます。

この仕組みは歯根膜が本来の厚さを保とうとする性質を利用しており、強い力をかけることなく自然な力で治療ができます。

ワイヤー矯正との仕組みの違い

ここでは、ワイヤー矯正との仕組みの違いを以下5つの視点から解説します。

比較内容マウスピース矯正ワイヤー矯正
治療の適用範囲軽度~中等度広範囲
装置の取り外し不可
歯の動かし方透明のマウスピースで動かすワイヤーの力で動かす
歯並びの調整初期のみ必要1~2ヶ月に1回必要
不測の事態に対する対応1つ前のマウスピースで対応し、歯科医師に相談歯科医院での治療が必要

それぞれ詳しく解説します。

治療の適用範囲

マウスピース矯正は、軽度から中等度の歯並びの乱れに対応できる治療法です。

たとえば、すきっ歯や前歯の軽いねじれなどであれば、段階的にマウスピースを装着することで歯並びの改善が期待できます。

しかし、歯の重なりが大きい場合や上下の噛み合わせに著しいズレがあるようなケースでは、マウスピース矯正だけでの対応が難しく、ワイヤー矯正や抜歯といった外科的な処置を併用する必要が生じることもあります。

治療の適用範囲という点ではワイヤー矯正の方が広いです。

しかし、近年はマウスピース矯正の普及により、これまで矯正治療をためらっていた軽度の歯並びの悩みを持つ方々も、気軽に治療を受けられるようになりました。

装置の取り外し

ワイヤー矯正は一度装着すると自分で取り外すことはできません。

一方、マウスピース矯正は装置の着脱が自由にできる点が特徴です。食事や歯磨きの際にはマウスピースを取り外す必要があります

そのため、マウスピース矯正は口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを抑えられます。

ただし、装着時間が短くなると計画通りに歯が動かず治療期間が延びてしまうこともあります。

1日20時間以上の装着を守り、食事や歯磨き、マウスピースの洗浄以外は取り外さない意識が必要です。

歯の動かし方

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を取り付けてワイヤーを通し、歯に集中的に力をかけることで、徐々に歯が動いていきます。

月に1回程度の通院が必要で、歯科医師にワイヤーの調整をしてもらう必要があります。

一方、マウスピース矯正はわずかに形の異なる透明なマウスピースを1~2週間程度で交換することで、歯を段階的に移動させていきます。

ワイヤー矯正と比較して歯にかかる力がマイルドであるため、痛みが少ないという点が特徴です。

また、ワイヤー矯正のほうが歯が早く動くということはありません。

どちらの矯正方法を選択したとしても、歯が動くのは月に最大1.0mmとされています。

歯並びの調整

マウスピース矯正では、歯科医師が3Dスキャンやレントゲンの情報をもとに歯の動きをシミュレーションし、その計画に沿って一連のマウスピースが作製されます。

そのため、通院の頻度がワイヤー矯正よりも少ないのが特徴で、初期の頃は月に1回、その後は2~3ヶ月に1回が目安となります。

一方、ワイヤー矯正では1~2ヶ月に1回の通院ごとに、ワイヤーの調整を行いながら歯を動かします。

力のかけ方や調整のタイミングが個々の症例によって異なります。

どちらの方法も、治療の精度は歯科医師の技術と経験に左右されますが、通院の時間が取れない方などはマウスピース矯正を選択すると良いでしょう。

不測の事態における処置

マウスピース矯正中に装置が破損したり紛失したりした場合は、すぐに担当の歯科医師へ連絡し、指示を受ける必要があります。

歯科医師に診てもらうまでの間は、ひとつ前の段階のものを一時的に使用するなどの対応が可能です。場合によっては、新たに装置を作製する処置も必要になります。

一方、ワイヤー矯正ではワイヤーやブラケットの脱落や破損が起きた際には、迅速な調整が必要です。

いずれの場合も自己判断で放置せず、早めに対処することで治療の遅延や歯並びの乱れを防げます。

「最低2回」の通院で治療が可能なマウスピース矯正もあります!

「エミニナル矯正」なら最低限の通院で治療ができるので、はじめの方のみ通院できれば場所にとらわれることなくマウスピース矯正を完結させられます。

総治療患者数2,000名以上の矯正治療を専門とした歯科医師(ドクター)が1人ひとりに合った治療計画を立て納得の仕上がりへ。

治療中は専属の医療チームが寄り添います。

エミニナル矯正

エミニナル矯正では、マウスピース矯正が向いていない方には「無理に治療をお勧めしない」「他の治療方法を含めた適切な治療をご提案する」、経験豊富な歯科医師が「適切に治療判断する」ことを大切にしています。

矯正医院やセカンドオピニオン先をお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。

マウスピース矯正のメリットとデメリット

マウスピース矯正のメリットとデメリット

マウスピース矯正は、目立ちにくく装置の取り外しがしやすいといったメリットが強調されますが、装着時間の管理や適用範囲の限界などのデメリットも存在します。

ここでは、マウスピース矯正の主なメリットとデメリットをそれぞれ3つご紹介します。

マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正のメリットは以下の通りです。

  • 低予算で矯正できる
  • 食事や歯みがきの際に外せる
  • クリアで目立ちにくい

詳しくご紹介します。

低予算で矯正できる

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正よりも費用が必ずしも安いわけではありませんが、部分的な歯並びの調整や軽度の症例であれば、比較的費用を抑えられます

マウスピース矯正の費用相場は、全体矯正の治療費は60~100万、部分的な矯正の場合は10~40万です。

また、通院頻度が少なくて済む場合が多く、時間や交通費などを含めた総合的なコストを下げられる可能性もあります。

歯科医院に定期的に通えない方などは、マウスピース矯正を視野に入れて検討すると良いでしょう。

食事や歯磨きの時に外せる

マウスピース矯正は、食事や歯磨きの際に装置を取り外せるため、口内を清潔に保ちやすい点が大きなメリットです。

ワイヤー矯正では、食べ物が装置に詰まったり、ブラケット(ワイヤーを通す装置)周辺に汚れがたまりやすかったりするため、丁寧なケアが必要です。

一方、マウスピース矯正では通常どおりのブラッシングやフロスが行えるため、治療中でも虫歯や歯周病のリスクを抑えながら衛生的な口腔環境を維持しやすくなります。

クリアで目立ちにくい

マウスピース矯正は、マウスピース本体が透明な素材で作られているため、装着していても目立ちにくい点が特徴です。

接客業などの人前に出る機会が多い職種や、見た目に配慮したい人にとっては、口元の自然な印象を保ちながら治療が進められるというメリットがあります。

ワイヤー矯正に比べ心理的な負担が少ないため、継続的に治療を受けるモチベーションも維持しやすくなります。

ワイヤー矯正でも目立ちにくく配慮されたものを選択することもできますが、その分費用が高額になるため、目立ちにくさを重視するのであれば、マウスピース矯正を選択すると良いでしょう。

 

マウスピース矯正のデメリット

マウスピース矯正のデメリットは以下の通りです。

  • 装着時間を徹底しないと効果が得られにくい
  • 装置を清潔に保つ必要がある
  • 歯並びによっては対応できない

詳しくご紹介します。

装着時間を徹底しないと効果が得られにくい

マウスピース矯正は、装着時間が足りないと歯が計画通りに動かず、治療期間が延びる可能性があります。

ワイヤー矯正のように常に歯に力をかけているわけではないため、マウスピースを外している時間が長いと矯正の効果が低下してしまうのです。

食事や歯磨きの際は外して問題ありませんが、それ以外の時間はできるだけマウスピースを装着し続ける必要があり、患者の自己管理の徹底が求められます

装置を清潔に保つ必要がある

マウスピースは定期的に交換するものですが、清潔を保つために毎日の洗浄は欠かさず行う必要があります。

食事の際にはマウスピースを取り外し、毎食後に歯磨きをした後で再度取り付けましょう。マウスピースを付ける前には、40℃程度の流水で軽く洗浄してから使用してください。

週に1回程度、マウスピース用の洗浄剤でつけおき洗いをすると、より清潔を保てます。

これらを怠ると、口臭や虫歯の原因になるだけでなく、マウスピースにカビが発生する原因になります。

また、マウスピース装着中は虫歯や歯周病、装置の着色を防ぐためにも、水か無糖の炭酸水以外の飲食を避けましょう。

歯並びによっては対応できない

マウスピース矯正では、すべての症例に適用できるわけではありません。

近年の技術進歩により、以前は難しいとされていた症例にも対応できるようになりつつありますが、ワイヤー矯正と比べると適応できる症例には制限があるのが現状です。

自分の歯並びにマウスピース矯正が適しているかどうかを正しく判断するためにも、まずは専門の歯科医師によるカウンセリングを受けることをおすすめします。

マウスピース矯正開始の流れ

マウスピース矯正開始の流れ

マウスピース矯正を始める際は、歯型採取や治療計画の作成など一連のステップを踏んで準備します。

それぞれの段階を正しく理解し、スムーズに治療を進めていきましょう。

カウンセリング

はじめに専門の歯科医師によるカウンセリングを受け、歯並びに関する悩みや希望を相談しましょう。

この段階では口腔内の状態を簡易的に確認し、マウスピース矯正が適しているか、あるいはワイヤー矯正や他の方法が適切かを判断するための方向性を共有します。

治療期間や費用、装置の使い方などについて疑問があれば、その場で確認しましょう。

治療前に必要な情報を把握しておくことで、納得のいく治療計画を立てやすくなります。

なお、カウンセリングは無料~5,000円程度と、歯科医院により異なるので確認しておきましょう。

歯型採取とレントゲン撮影

矯正治療を希望する場合、歯型の採取やレントゲン撮影を行い、口腔内の正確な状態を把握します。

この段階で虫歯や歯周病が発見された場合、その治療を先に行う必要があり、治療が終わり次第で矯正治療を進めることができます。

マウスピース矯正では、デジタルスキャンによる3Dデータの取得が一般的です。

このスキャンにより、歯の配置や骨格のバランス、歯ぐきの健康状態などを総合的に分析します。

また、デジタルスキャンは、機械を歯に沿わせるだけで行えるため、嘔吐反射が出やすい方でもスムーズに歯型を採取できます。

治療計画作成

採取した歯型やレントゲン画像、3Dデータをもとに、目標とする歯並びと各段階の歯の移動計画を立てます。

専用ソフトを使って歯の動きをシミュレーションし、最終的な仕上がりのイメージ、必要なマウスピースの枚数、交換のタイミングなどを具体的に設定します。

患者は治療前に完成予想を視覚的に確認できるため、治療内容を把握しやすくなります。

治療計画が確定すれば、マウスピースの作製に入り、治療スケジュールが決定されます。歯の形や位置が少しでも変わると、できあがったマウスピースがはまらない可能性があります。

マウスピースが完成するまでの間に虫歯などにならないよう、注意しましょう。

治療開始

治療計画が確定したら、最初のマウスピースを装着して矯正を開始します。

通常は1〜2週間ごとに次のマウスピースに交換して、段階的に歯を移動させていきます。

まれに、マウスピースの縁が鋭利になっており、痛みを感じる場合がありますが、爪やすりや紙やすりなどで削ることで痛みを軽減できる場合もあります。

痛みや違和感が続く場合は、早めに歯科医師へ相談し、必要に応じて調整してもらいましょう。

メンテナンス

治療中は定期的な診察を受けることで、マウスピースの装着状態や歯の移動状況を確認します。

装置の破損や汚れ、歯の予想外の動きが見られた場合は、すぐに調整や修正が必要です。

また、口腔内の清掃や虫歯予防のために歯のクリーニングやケア指導を受けると、より良い口腔環境を維持できます。

矯正が完了した後は、歯並びを安定させるためにリテーナー(保定装置)を装着するケースが多く、仕上がった歯並びを長期間維持するための管理も欠かせません。

マウスピース矯正に関する質問

ここでは、マウスピース矯正に関するよくある質問に回答いたします。

ワイヤー矯正と併用できる?

治療の内容によっては、マウスピース矯正とワイヤー矯正を組み合わせて行う場合もあります。

たとえば、重度の歯並びの乱れに対しては、初期段階でワイヤー矯正によって大きな歯の移動を行い、最終的な仕上げにマウスピースを用いて細かな歯並びを整えるといった方法が用いられます。

それぞれの装置の特性を活かし、より効率的で精度の高い治療を行うことが可能です。

ただし、併用が適しているかどうかは個々の歯並びや治療の目的によって異なるため、歯科医師との綿密な相談が必要です。

マウスピース矯正で失敗を防ぐには?

マウスピース矯正で効果をしっかり得るためには、信頼できる歯科医師による正確な診断と、歯並びに合った治療計画の立案が欠かせません。

もちろん治療期間中、守らなくてはならないこともたくさんあります。ご自身で失敗を防ぐためにできることは、以下の通りです。

  • 毎日の装着時間を守る
  • 指定されたスケジュール通りにマウスピースを交換する
  • 装置を清潔に保つ
  • 定期的に診察を受けて進行状況を確認する

違和感やトラブルがあった場合は、早めに歯科医師に相談し、自己判断で装置の使用を中断しないよう注意しましょう。

マウスピース矯正は最短どのくらいで開始できる?

検査から患者の歯並びに合わせたマウスピース装置が作製されるまで多少の時間がかかるため、最短でも1〜2ヶ月程度かかることが一般的です。

早めに治療を開始したい場合は、事前に予約や相談を行い、スケジュールを調整しておくとスムーズに治療を進行できます。

まとめ

マウスピース矯正は、透明な装置を段階的に交換することで歯を動かす仕組みです。

装置が透明で目立ちにくく取り外しが可能なため、衛生的なケアがしやすいのが特長で、費用だけでなく痛みも少なく抑えられるので患者の負担が軽くなります。

「なるべく費用を抑えたい」「忙しいから通院の回数を減らしたい」という方には、エミ二ナル矯正がおすすめです。

  • 月々3,000円(※)からマウスピース矯正が始められる
  • 最低2回の通院で治療が可能
  • 歯科医師にチャットで相談可能
  • 初回診断(歯型分析)無料

マウスピース矯正を検討している方は、ぜひエミニナル矯正にご相談ください。

「最低2回」の通院で治療が可能なマウスピース矯正もあります!

「エミニナル矯正」なら最低限の通院で治療ができるので、はじめの方のみ通院できれば場所にとらわれることなくマウスピース矯正を完結させられます。

総治療患者数2,000名以上の矯正治療を専門とした歯科医師(ドクター)が1人ひとりに合った治療計画を立て納得の仕上がりへ。

治療中は専属の医療チームが寄り添います。

エミニナル矯正

エミニナル矯正では、マウスピース矯正が向いていない方には「無理に治療をお勧めしない」「他の治療方法を含めた適切な治療をご提案する」、経験豊富な歯科医師が「適切に治療判断する」ことを大切にしています。

矯正医院やセカンドオピニオン先をお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました