「前歯がガタガタしている」「噛み合わせがズレている気がする」と、そんな歯並びの悩みを抱えていませんか?
歯並びの乱れは見た目だけの問題ではなく、食べ物をしっかり噛めないことによる消化不良、虫歯や歯周病のリスク増加、さらには肩こりや頭痛、顔の左右差など、日常生活にさまざまな影響が出る可能性があります。
この記事では以下の内容を、具体例を交えて詳しく解説します。
- 「良い歯並び」とはどのような状態か
- 歯並びが悪くなる6つの主な原因
- 年齢を問わず始められる矯正の種類と費用相場


歯並びが良いとされる基準

「歯並びが整っている」とされる状態には、いくつかの明確なチェックポイントがあります。まずは、以下の項目に当てはまるかを鏡で確認してみましょう。
すべてに当てはまるなら、機能面でも審美面でも「良い歯並び」といえる状態です。
チェックポイント | 歯並びの状態 |
歯の大きさや向きが左右対称 | 片側だけ歯が大きかったり、傾いていたりしない |
歯に重なりや隙間がない | 前歯や奥歯が重なって生えていたり、すき間が空いたりしていない |
上下の噛み合わせにズレがない | 噛んだときに上下の歯がバランスよく接していて、左右どちらかに偏っていない |
上の前歯が下の前歯より2mm程度前に出ている | 「出っ歯」とは異なり、軽く上の歯が重なるのが理想 |
歯並びが悪いとされる基準

歯並びが乱れている状態は「不正咬合(ふせいこうごう)」と呼ばれ、次のようなパターンが代表的です。鏡を見ながら、当てはまる項目がないか確認してみましょう。
基準 | 歯並びの状態 |
叢生(そうせい) | 歯が生えるスペースが足りず、前後に重なってガタガタになっている状態 |
上顎前突(じょうがくぜんとつ) | 上の前歯が前方に大きく突き出ている、いわゆる「出っ歯」 |
下顎前突(かがくぜんとつ) | 下の前歯が上の前歯よりも前に出ている、いわゆる「受け口」 |
過蓋咬合(かがいこうごう) | 噛んだときに上の前歯が下の前歯を深く覆い、下の歯がほとんど見えない |
空隙歯列(くうげきしれつ) | 歯と歯の間にすき間が空いている、いわゆる「すきっ歯」 |
開咬(かいこう) | 奥歯を噛み合わせても前歯が閉じず、前歯の間に隙間ができる状態 |
これらの歯並びの乱れは、見た目だけでなく発音や噛み合わせの機能にも影響します。気になる方は、歯科医院での相談をしてみましょう。
歯並びが悪くなる原因

歯並びの乱れは、遺伝的な要因に加え、日常のクセや生活習慣が大きく影響します。
ここでは、よくある原因を具体的に5つご紹介します。
遺伝によるもの
歯並びの乱れには、遺伝により親から受け継いだ顎の大きさや歯の形が関係することがあります。
たとえば、顎が小さい一方で歯が大きいと歯が並ぶスペースが足りず、前後にずれてガタガタに生えてしまいます。
ただし、こうした遺伝の影響は全体の2〜5%程度にとどまるとされています。
頬杖をつく
頬杖をつくクセはつい無意識にやってしまいがちですが、きれいな歯並びを維持するためには注意が必要です。
顔の片側に長時間力がかかると少しずつ顎の骨や歯列に歪みが生じ、噛み合わせが不自然になったり顔の左右差が目立ったりする原因になることもあります。
特に成長期の子どもは、顎の骨がやわらかく発育途中のため、影響を受けやすい状態です。
勉強中や食後のくつろぎタイムなど頬杖をつくシーンに気づいたら、椅子や机の高さを見直す、姿勢を正すといった環境面の工夫から始めましょう。
あまり噛まず飲み込む
噛む回数が少ないと顎まわりの筋肉が十分に使われず、顎の成長が不十分になります。その結果、歯が生えるためのスペースが確保できず、歯が重なって生える「叢生(そうせい)」や、上の前歯が前に出る「出っ歯」の原因になることがあります。
さらに、片側ばかりで噛むクセがあると、左右の顎の成長に偏りが生じ、顔の非対称や噛み合わせのズレにつながることもあります。
食事の際は、ひと口ごとに20〜30回を目安によく噛むことを意識しましょう。
しっかり噛むことで、顎の筋肉がバランスよく使われ、歯並びや顔の成長にも良い影響を与えます。
食いしばりをする
日常生活の中で無意識に歯を強く食いしばるクセは、歯や顎に大きな負担をかけます。
特に睡眠中に起こる食いしばり(ブラキシズム)は自分では気づきにくく、歯のすり減りやひび割れ、顎関節の痛みなど、さまざまなトラブルを引き起こします。こうした状態が続くと、歯の位置に微妙なズレが生じ、噛み合わせの乱れや歯列全体のゆがみにもつながっていきます。
食いしばりの原因としては、日中のストレスや、前かがみの姿勢、顎に力が入りやすい癖などが挙げられます。
日常の中で歯と歯が接触している時間を意識的に減らす「歯を離す習慣」を身につけていきましょう。
寝ている間の食いしばりが疑われる場合は、歯科医院でマウスピース(ナイトガード)を作成することで、歯と顎への負担を軽減できます。
虫歯を治療せず放置する
虫歯をそのままにしていると、痛みを避けて無意識に片側だけで噛むようになり、顎や歯に片寄った力がかかります。これが習慣になると、顎の位置が少しずつズレたり、噛み合わせのバランスが崩れたりして、歯並び全体に影響が出てきます。
また、虫歯が進行して歯を失ったままにすると、その空いたスペースに隣の歯が傾いて移動し歯列が乱れる原因にもなります。永久歯だけでなく乳歯にも永久歯を正しい位置に導くガイドとしての役割があるため、子どもの虫歯も放置せず早めに治療しましょう。
違和感や痛みがある場合は、自己判断で放置せず、できるだけ早く歯科医院を受診してください。
口呼吸をしている
口で呼吸する習慣があると、舌や唇、頬の筋肉がうまく使われず、次第に口元まわりの筋力が低下します。この影響で、舌の位置が下がりやすくなり、前歯が前方に押し出されて「出っ歯」になったり、奥歯は噛み合っているのに前歯が閉じない「開咬(かいこう)」といった不正咬合を引き起こすことがあります。
また、口が常に開いた状態が続くと、口の中が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクも高まります。
口呼吸の原因がアレルギー性鼻炎や慢性的な鼻づまりにある場合は、耳鼻科での治療を検討しましょう。
加えて、日中や睡眠時の姿勢や舌の位置を意識して、鼻で呼吸する習慣を身につけることで歯並びの乱れを予防できます。
歯並びが悪いのを改善する方法

歯並びの乱れは放置すると徐々に悪化してしまうため、早めの矯正治療で歯並びを整えましょう。
ここでは代表的な3つの矯正方法をご紹介します。
矯正方法 | 費用目安 | 治療期間 | 症例 |
マウスピース強制 | 70~100万円 | 6~24ヶ月 | 軽度~中度 |
ワイヤー矯正 | 80~120万円 | 18~36ヶ月 | 中度~重度 |
セラミック矯正 | 10~20万円/本 | 2~3ヶ月 | 前歯の審美 |
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明な取り外し可能の装置を使って、歯を少しずつ理想的な位置に動かしていく矯正方法です。
装置は薄くて目立ちにくく、会話中や写真撮影でも気づかれにくいため、見た目を気にする方にも人気があります。
食事や歯磨きの際には自分で外せるため、従来のワイヤー矯正に比べて日常生活のストレスも少なく済みます。
マウスピース矯正は、歯の重なりやすき間などが比較的軽度〜中等度の症例に適しており、1〜2週間ごとのマウスピースの交換で、効果的に歯を動かすことができます。通院は月1~2回ほどで済むケースが多く、仕事や育児で忙しい方にも継続しやすい点がメリットです。
ただし、1日20時間以上の装着を守り、定期的な洗浄で衛生を保つ必要があります。
治療を検討する場合は、まず歯科医院での精密な診断を受け、マウスピース矯正が適しているかどうかを確認することから始めましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる小さな装置を取りつけ、そこに通したワイヤーの力で歯を少しずつ動かしていく治療法です。歯列全体を整えることができるため、歯のねじれやズレが大きい場合など、幅広い症例に対応できます。複雑な歯並びにも適しており、確実な効果を求める方に選ばれています。
装置が金属製で目立ちやすいのが一般的なデメリットですが、最近では白や透明の目立ちにくい「審美ブラケット」を選ぶことも可能です。見た目に配慮しながら治療を進めたい方にも対応できます。
治療期間はおよそ1年半〜3年と長めになる傾向がありますが、その分しっかりとした矯正効果が期待できます。
セラミック矯正
セラミック矯正は、歯の位置そのものを動かす矯正ではなく、天然の歯を削ってセラミック製の被せ物(クラウンやラミネートベニア)を装着し、見た目を整える治療法です。
歯並びの改善とあわせて、歯の形や色も同時に整えることができるため、短期間で美しい口元を手に入れたい方に選ばれています。
治療期間は数週間〜数ヶ月とスピーディーで、イベントや撮影などに向けて早く結果を出したい場合にも対応できます。
ただし、健康な歯を大きく削る必要があるため、元の歯の状態や神経の有無によっては適応できないこともあります。また、一度削った歯は元に戻せないため、将来的な歯の寿命やメンテナンスも考慮する必要があります。
審美性を重視しつつもリスクをしっかり理解し、信頼できる歯科医師に相談した上で慎重に判断することが大切です。
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治療中は専属の医療チームが寄り添います。
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