「医療を身近に利用してもらいたい」_ルナレディースクリニックを編集部が取材

「医療を身近に利用してもらいたい」_ルナレディースクリニックを編集部が取材

「もっと身近に、もっと気軽に通えるクリニック」を理念としたルナレディースクリニック。今回は、ルナレディースクリニック統括院長 産婦人科医の川原正行先生をユアケア編集部が取材しました。

クリニックを開業した経緯や、医師として患者様と接するときに意識していること、中絶手術に対する医師としての想いなどを伺ったのでぜひご覧ください。

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川原正行 先生について

川原正行 先生

【プロフィール】
産婦人科専門医・母体保護法指定医師。1998年岡山大学医学部卒業。岡山大学病院、広島中電病院、福山医療センターでの産婦人科研修を経て、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)にて医薬品・医療機器の承認審査に従事。こうのとりレディースクリニック、新宿レディースクリニックにて勤務の後、駅近でピル処方・おりもの検査を中心に女性が気軽に安心して受診できる婦人科としてルナレディースクリニックを展開(川崎駅前院、新橋銀座口院、横浜駅前院)。

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川原先生は、SNSによる発信も行っています。気になる方はぜひフォローしてみてください。

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川原先生のSNS
取材の様子

取材の様子

川原正行先生は、都内に3つの病院を展開しているルナレディースクリニックの統括院長で、20年以上女性の悩みと向き合い続けています。今回は、川原先生の貴重なお時間をいただき、レディースクリニックのリアルな現場についてお話を伺いました。

  • 実施日:2023/10/12
  • 場所:オンライン
  • 所要時間:1時間
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川原先生が1人の医師として大切にしていることとは

インタビュー記事_画像②
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
産婦人科医としての経歴やいままでのキャリアについて教えていただけますか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
産婦人科専門医を取得後に、目の前の患者様を助けるだけではなく、医療によって社会のインフラづくりもしたいと夢を描くようになり、製薬系の研究に進み、PMDA(医薬品医療機器総合機構)で医薬品審査に携わりました。

産婦人科領域は国際的に見ても新しい薬が少なく、日本の場合は海外で使われている薬が国内で承認されるまでに長い年月を要するという問題もありますから、薬という視点で医療をもっと利用しやすくできないかくということを考えてきました。

その後は、婦人科クリニックで婦人科の一般の診療や不妊治療も手がけながら、美容皮膚科の診療も経験してきました。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
患者様とのコミュニケーションにおいて、特に大切にしていることについて教えてください。
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
婦人科はデリケートな悩みで不安を覚えながら受診されるので、どんなときにも優しく接することを大切にしています。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
優しく接するうえで、意識していることはありますか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
勇気を振り絞ってきてる方ばかりなので、傲慢な態度をとっていると思われてはいけません。イライラしないであったり、専門家から見て変な質問をされたとしても、真摯に謙虚に対応するように心がけております。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
製薬分野や、臨床医など様々な経験をされてきた川原先生から見て、産婦人科医療の分野で最も課題と感じている点や改善が必要だと考えていることは何ですか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
キャリアを重ねる中で、一貫して考えていたのが、いかに「医療を身近に利用してもらえるか」です。これまで婦人科領域の健康問題は、タブー視されたり見過ごされたりすることが多く、一人で抱え込まれている方も多くいらっしゃったのではないかと思います。そういう方々に医療が届くようにしたいと考えています。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
「医療(診療や薬)をもっと身近に」と考える何かきっかけがあったのですか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
産婦人科医以外・臨床医などもやっていく中で、社会システムを変えたい、インフラを整えたい、困っている方たちに寄り添えるようになりたいと考えるようになりました。

ここまで、川原先生がキャリアを通じて感じていたことや、患者様と会話するときに意識していることを聞いて、優しい先生であることが非常によく伝わってきました!

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ルナレディースクリニックについて

あきな
ユアケア編集部ライター あきな
ルナレディースクリニックを設立した経緯を教えてください。
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
ピル処方・おりもの異常といった仕事を休んで受診するほどではないような症状でも、気軽に受診できる婦人科として年中無休、平日20:00まで診療するクリニックを開院しました。駅から近く、仕事終わりの時間でも足を運べるようにしております。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
クリニックの使命やビジョンなど最も大切にしていることは何ですか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
ピル処方・おりもの検査・中絶といったタブー視されがちな内容を身近に気軽に相談できるクリニックを目指しています。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
具体的にどういうことを工夫したクリニックにされていますか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
私のクリニックでは、駅の近くで、プライバシーに配慮した設計で基本的に男性は入れないことになっています。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
男性は入れないんですか?女性のプライバシーを最大限尊重するという形でそうなったのですか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
普通の産婦人科だったら、「産科」ということで男性が入れるところが多いですが、私のクリニックは「婦人科」です。産科はやっておりません。クリニック内で性病や中絶の話をするなど、デリケートな話を扱うので、男性は入れないということになっております。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
クリニックを開業してから直面した困難な瞬間や課題についてお話しいただけますか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
中絶という、タブー視され女性が被害を被る体験を起こる前に予防し、起きた方には再度起きないようにしていくことですね。対策として当院では、中絶手術を受けられる方に、低用量ピルを基本的に全例で無料で導入しています。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
そんな対策をしてらっしゃるクリニックを初めて知りました!「低用量ピルを無料で」というのは、最初の1シートを無料で提供しているということですか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
そうですね。できれば続けて服用してもらい、二度と同じ思いをしないようになればと思って実施しています。中絶手術は本当になくなってほしいと思っているので、禁忌の方以外には出すようにしています。

川原先生は、常に患者様の気持ちに寄り添う医師であることがひしひしと伝わってきました。

駅前の近くにクリニックを開業した理由や、中絶手術を受けた患者様にピルを無料で配るといったものの背景には、「医療を身近に」「二度と悲しい思いをしてほしくない」といった、世の中ができていないことに対してアプローチを続ける、川原先生の強い、そして優しい意志を感じました。

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「悲しむ女性を1人でも減らしたい」ピル処方への強い関心とは

インタビュー記事
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
クリニックではピルの処方にどのくらい力をいれていますか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
クリニックでは、ピル処方の待ち時間が発生しない運営体制を実施するなど、ピル処方の患者様に寄り添えるようにしております。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
具体的にはどのような体制で運営されているのですか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
クリニックでは、待ち時間順に診察するのではなく、ピル処方の方を優先して診ているほか、予約時点で、ピル診療と一般診療を分けているため、スムーズにピルを受け取れるようにしています。

また、初回のピル診療では医師に診てもらう前に、トレーニングを受けてる専門の看護師から問診を実施。2回目以降で追加の質問がない場合は、すぐにピルを処方できるといった体制を整えています。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
気軽に受診できるクリニック、待ち時間なしでピルを受け取れる運営体制をしている中で、実際の患者様の喜びの声や、うれしかった口コミなどがあれば教えてください。
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
診察の内容にもよるのですが、特にピル処方の方には「予約が取りやすい」「診察の待ち時間が短い」といった声が多いです。実際の患者様で、ほかのクリニックでピル処方を受けられていた方が、受け取りまでの時間の短さから、うちのクリニックに通うようになる方はおられますね。
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5.0
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2023-10-12

いい婦人科だと かなり待つことがほとんどでしたが、 LINEでいつでも予約や変更、 予約の確認もできて、駅からも近く、 待ち時間も少なくて、待ち席も多く凄くありがたかったです! 私の時は、受付、看護師さん、お医者さんも全て女性で安心でした。 待ち時間が少ないのであまり質問できる感じじゃないかなと思ってましたが、そんな事はなく、質問もさせてもらえたので感動しました。6軒以上婦人科に行ったことがあるので、革命的でした。ありがとうございます!!

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ここからは、ピル服用全般に関する先生の意見や考えについて質問してみました。

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あきな
ユアケア編集部ライター あきな
「望まない妊娠」をしないためにピルを利用すべきという認識は日本で広まっていると思いますか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
あまり広まっていないですね。私は中絶手術を受けられる方をほぼ毎日見る立場なのですが、ピルを利用すべきという認識が広まっていないから、望まない妊娠につながっていると思います。泣きながら手術を受けられる方もおり、そういう方が少しでも減ればと願っています。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
「望まない妊娠」をしないためにピルを利用すべきという認識を広めるためには何が必要だと思いますか?
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
啓蒙活動しかないですね。中絶経験がある方が、思いを伝えたり広めたりできたらいいが、みなさんタブー視しているので、ほかの方に声を上げて広めようという方は少数派になっているのが現状です。
あきな
ユアケア編集部ライター あきな
低用量ピルの副作用への不安を感じる方へメッセージをお願いします。
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
ピルが怖がられる原因の1つに、血栓症などといった副作用が挙げられます。ただ、私は副作用を正しく理解してもらうために、「車の運転」に例えてピルのリスクを説明するようにしています。

低用量ピルの副作用の血栓症は、交通事故と同じような確率で発生します。もちろん、交通事故にあう確率が高いのは車の運転手です。でも、車に乗る多大なるメリットがあるからみなさん車に乗り続けまよね。

低用量ピルも同じです。低用量ピルを飲めば、生理痛の改善や気持ちの浮き沈みが少なくなるなどのメリットがたくさんあります。リスクがありながら車に乗るように、血栓症のリスクはあるものの、ピルのメリットとの対比でピルを飲む選択はありなのではないでしょうか。

婦人外来としては、少々のリスクをとってでも低用量ピルの服用をお勧めします。

川原先生は、生理痛の改善、気持ちの波が落ち着く、避妊効果など、低用量ピルを飲むことで女性特有の症状が改善できることが多くあると伝えてくれました。しかし、それを公に伝えることは難しく、いまだに辛い思いをしている女性がいることに心を痛めていました。

そのような中で、副作用のリスクを懸念している患者様にうまく伝わるように試行錯誤した結果が、「車の運転する人の例」だったのではないでしょうか。

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最後に先生からのメッセージ

あきな
ユアケア編集部ライター あきな
女性の健康に関心を持つ若い読者に、アドバイスをお願いします。特に健康維持や早期検診の重要性についてのメッセージをお聞かせください。
川原正行 先生
ルナレディースクリニック統括院長   川原正行 先生
まず、年に1度は子宮頸がん検診と婦人科超音波検査を受けることを強くおすすめします

。子宮頸がんは、マザーキラーと呼ばれているくらい、若い女性がなりやすい病気です。症状が出たら進行している証拠。定期検診を受けることで、早期発見に繋がり、若くして家族を残して亡くなることは予防できますよ。

そのほかには、妊娠したら中絶を考えておられる状態なら、低用量ピルの服用を推奨しています。中絶手術を受けたい人は誰もいないし、中絶手術をしたいという医師はいません。男性とは違い、女性にとっては一生心に残り続けることになるので、ほぼ確実に望まない妊娠を避ける方法として、低用量ピルの服用を推奨しています。

これらの2つを強くおすすめします。

インタビュアー

あきな
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ユアケア編集部

ユアケア編集部