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2020.08.25ワキガ治療
ワキガ多汗症はどうする?親子でできる対策と治療
小さなお子様でも汗がにおったり、大きくなるにつれて体臭がきついと感じたりすることがあります。汗をかくのは熱くなった体を冷やす生理的な現象で、生きるうえでも大切な機能です。
もともと人には特有のにおいがあり、においの強さや汗の質には個人差があります。しかし、成長するにつれて汗の量が増えてにおうようになり、コミュニケーションで悩むことも。
大切な子どもだからこそ、できるだけ肌や身体に負担のない方法で解決してあげたいですよね。今回は親子でできる汗やにおい対策とクリニックで受けられるワキガ多汗症治療について紹介します。
目次
1.子どもの成長とにおいの変化
気温が高いときやスポーツをしているときには、流れるほど汗をかくことがあります。
とくに子どもは大人よりも体温が高く代謝もよいので、ちょっとしたことでも汗をかきますが、小さな子どもでワキガというのはあまり聞いたことがありませんよね。
「ワキガ」といわれるにおいの発生には汗の質が関係しています。からだが成長することで汗の質が変化して、においも変わっていくのです。
1-1.子どもと大人の「汗」の違い
暑いときに身体を冷やすために汗をかくのは子どもも大人も同じですが、子どもの汗のほとんどはエクリン汗腺からでる汗。大人はエクリン腺汗腺とアポクリン汗腺の2種類の汗がでます。
思春期前の子どものからだはまだ発達が十分ではありません。アポクリン汗腺はまだ機能できないため、エクリン汗腺しか汗を出せない状態なのです。
1-2.成長で変わる汗の質
もうお気づきかもしれませんが、臭いにおいを発生させる原因のひとつにアポクリン汗腺の発達があります。
汗腺にはアポクリン汗腺とエクリン汗腺の2種類がありますが、においを発生させているのはアポクリン汗腺からの汗。アポクリン汗腺の汗はエクリン腺と成分が違うのです。
つまり、アポクリン汗腺とワキガは子どもの成長と深く関係しています。
- 新生児、乳児期のにおい
生まれたばかりの赤ちゃんは生後半年くらいまで、柔らかくて甘い「赤ちゃんのにおい」がします。赤ちゃんによっても体臭に違いはあって、ミルクのような香りやフルーティな香りなどさまざま。
赤ちゃんはたくさん汗をかいてもサラリとしていて汗臭さはほとんどありませんが、頭や首、わきの下などが臭いのは皮脂がたまっているからです。男の子は皮脂が多く「加齢臭(いわゆるオヤジ臭)」に近いにおいを発していることがあります。
キレイに汚れを落としてあげれば皮脂のにおいを消すことは可能です。また成長するにしたがって、ここちよい赤ちゃんのにおいもだんだんと薄くなってしまいます。
- 幼児期のにおい
乳児期に比べると体臭はほとんどなく、シャンプーやボディソープのにおいをまとっていることが多いでしょう。
一方、活動範囲が広がって動きも活発になるので、たくさん汗をかくように。この時期の汗は「エクリン汗腺」から分泌されたさらさらとした無臭性のもの。
- 学童期のにおい
小学生の中学年までは汗腺の発達も不十分で、エクリン汗腺による発汗がほとんど。しかし最近では、高学年ごろからアポクリン汗腺が働き始める子も増えています。
性ホルモンが発達する時期になると、ワキガのにおいを発生する「アポクリン汗腺」の機能が活発になり、自然と汗のにおいや体臭がきつくなっていきます。
男の子は身長が一気に伸び始めたり声変わりが始まったりするころ、女の子は脂肪がつきやすくなって身体が丸み帯びて初潮が始まる第二次性徴が起こるころです。
- 思春期のにおい
思春期にはしっかりと身体が発達して、アポクリン汗腺の機能も大人とほぼ同じくらいになります。ワキガを発症するのも多くがこの時期。
汗が皮脂と混ざり合ってしまうと皮膚の常在菌の大好物に変身し、菌に分解されることで悪臭を発生させてしまいます。
2.子どものワキガ多汗症の原因
成長途中の子どもの汗は、大人に比べてにおいにくいということが分かったと思います。
しかし、子どもでも汗が臭いと感じることもありますよね。子どもの「ワキガ」と「多汗症」の原因についてもみていきましょう。
2-1.こどもの「汗臭さ」と「ワキガ」の違い
一般的に「汗のにおい」と「ワキガのにおい」はにおいの種類が違います。
こどもでもワキガの人もいますが、汗のにおいかどうか分からなくて病院に相談することをためらうケースも。
汗臭さとワキガの違いが分かれば、ワキガかどうかを判別することができます。
- エクリン汗腺の汗のにおい
まだ第二次性徴がきていない子どもの汗はエクリン汗腺の汗です。
エクリン汗腺は全身の皮膚にあり、その大きな役目は体温調節。エクリン汗腺からの汗の成分は99%が水分なのでほとんど蒸発されてしまいます。脳が指令を出して汗を分泌し、からだの表面を汗でつつみこみ蒸発するときにからだの熱を奪ってくれるのです。
エクリン汗腺の汗は水分が蒸発したあと、肌に成分が残ったとしても少ない量なので肌が再吸収してくれます。ところが、大量に汗をかいて衣類にしみ込んでしまった汗はうまく蒸発できず再吸収もできせん。
たっぷり汗をかいたあとに服を着替えずにそのままで遊んでいると、からだがほてって肌の常在菌の働きも活発に。
すると衣類に残った水分以外の成分(主にナトリウムなど)が菌のエサになって分解され、汗特有の酸っぱいにおいを発生させます。
- アポクリン汗腺の汗のにおい
第二次性徴がきた子どもの汗はエクリン汗腺の汗に加えて、アポクリン汗腺からの汗も含まれています。
アポクリン汗腺はわきの下や陰部、乳首、へその周囲にあり、そこからの汗はフェロモンの役目もしていて独特のにおいがあります。
アポクリン汗腺の汗はタンパク質やナトリウム、マグネシウムなどがたっぷりで、水分が蒸発してもほかの成分は再吸収されずに菌のエサに。
アポクリン汗腺が多いわきの下や陰部は通気性が悪く蒸れやすいので、菌が元気に活動して強いにおいを発生させます。
- ワキガのにおい
ワキガのにおいもアポクリン汗腺の汗に含まれる成分が原因です。
しかし、ワキガになる人は一般的な人と比べてアポクリン汗腺をたくさんもっているため、菌のえさも豊富でにおいがキツくなりやすいのです。
ワキガは体質的なものが影響していて、親や親戚にワキガの人いれば遺伝している可能性があります。白人黒人といった人種はほとんどがワキガなので、血縁関係にいるならワキガの確率は高くなるでしょう。
ワキガのにおいはミルクっぽいにおいや雑巾の生乾きのようなにおい、カレーのスパイスのようなにおいなど多種多様。汗に含まれている成分や増えている菌の分解スピードなどでにおいに違いがでます。
2-2.子どもの多汗症
子どもはちょっと動くとすぐに汗びっしょりになっているので大人よりも汗をたくさんかいているようなイメージがありますよね。
でも、実は子どもがかいている汗の量は大人よりも少ないんです。
汗を出す「汗腺」の数は子どもも大人と同じくらいありますが、小学生くらいまではうまく汗をだせません。そのうえアポクリン汗腺が使えないとなると汗の分泌は多くないということが分かります。
よほどのことがない限り、汗のコントロールは必要ありません。
- 手や足の汗
全体的な汗の量は多くないのに、手のひらや足裏だけ大量の汗をかく子がいます。
- 字や絵をかいている紙がやぶれる
- 汗でつかんだ物(食器やタブレットなど)を滑らせる
- 季節の変わり目に汗をかいて痒い、皮がむける
汗の量は自律神経が影響しており、習い事や受験など緊張やストレスによって多汗症を発症することもあります。
3.においや汗が子どもに与える影響
臭いにおいというのは意外に自分では気づきにくいものですが、周囲の表情やしぐさでだんだんと気づくようになります。汗をだらだら流しているのも、あまり印象は良くないです。
学生時代とくに思春期には、においや汗の量でトラブルになるのは珍しいことではありません。うまく対処できないと、精神的な影響がでて不登校やいじめになるケースも。
3-1.学校生活が楽しめない
汗やにおいが気になると、汗をかく行動を避けたいと考えるようになります。
汗をかくのが怖くて体育で本領発揮できない子や、においが気になってスポーツも楽しめなくなってしまうのです。
気温が高くなる夏場には、通学や通常の授業ですらイヤになります。
3-2.友達と距離をとるようになる
においは自分で気づかないこともありますが、汗は流れている様子や服が濡れるなど目に見える変化があります。
汗をかいてるのを人に知られたくないので、自分から友達と距離をとるように。
汗やにおいを気にしすぎて、何でもないようなこともネガティブに受け取ってしまい、徐々に引きこもるようになってしまいます。
3-3.コンプレックスになる
自分のにおいで周り避けられている、大量の汗でからかわれるような経験を繰り返すと、自分に自信が持てなくなっていきます。
だんだんと自己肯定感が低くなって、自分なんかができるだろうかと消極的になったり、大切な場面でも決断できなくなることも。
3-4.いじめや不登校
学生時代は人と少しでも違う特徴があると、いじめのターゲットになる可能性があります。汗ジミやにおいも例外ではありません。
集団行動の多い生活だからこそ孤立してしまう恐れが。自分に原因があるとなると反抗するのもさらに難しく、親にも相談しにくいので対応が遅れてしまうことがあります。
4.親子でできる子どもの「におい&汗対策」
汗をたくさんかくと生活に困るので、本人がなんとかしたいと対策を考えるようになります。しかし、水分を減らす以外で汗の量を減らすのは難しく、熱中症や脱水などのリスクもあります。
またワキガは他人から向けられる表情や仕草で気づくことが多いのですが、子どもから相談するのは勇気のいることです。
親が気づいたときにスマートに対策してあげると、子どもも自分でケアできるようになります。
4-1.着替えを余分に準備する
いつまでも汗をかいたまま放置していると、菌が汗の成分を分解してにおいを発生させてしまいます。すぐに汗でビッショリになる子どもには、あらかじめ何着か着替えを用意してあげておくと便利です。
ちいさな子どもは寝ているときや室内遊びでも汗をかきます。服が汗を吸っているようなら下着も含めて着替えさせてあげましょう。
4-2.制汗剤をつかう
制汗剤はスプレーやロールオン、クリームなどがありますが、手軽なのはスプレーですが持続力ではロールオンやクリームです。たいていの人は汗をかいてから制汗剤を使用しますが、汗をかくお出かけ前に使うとにおいがでにくくなります。
小学生にもなれば刺激性の少ない制汗剤なら問題なく使えるはずですが、子どもの肌は乾燥や日焼け、あせもなどトラブルを起こしやすいので、クリニックで処方してもらうのがおすすめです。
4-3.抗菌、消臭アイテム
自分の持ち物にもデオドラントケアしておくと、汗をかいても着替えられない状況や制汗剤をわすれたときにも心強いです。
菌の繁殖を抑える抗菌効果のある洗濯洗剤や消臭効果のある柔軟剤などを使うと、衣類そのものがにおいを発生しにくくなります。
なかなか洗えない靴や汗が染みこんだスポーツ用品には抗菌・消臭スプレーを吹きかけると、持ち物からにおいが発生するのもおさえてくれます。
5.こどものワキガ多汗症治療
ワキガや多汗症は「体質」なので、自分ではどうすることもできません。しかし、専門のクリニックなら子どもでも受けられるワキガ多汗症治療があります。
ワキガのにおいの強さによっても異なりますが、手術は子どものワキガ多汗症治療の最終手段です。傷跡が残りやすいうえ、手術後の管理も大変。
子どもの治療にはできる限りからだへの負担の少ない方法を選ぶようにしましょう。
5-1.塩化アルミニウム
塩化アルミニウムをクリニックで処方してもらい、自宅で汗の気になるところに塗って洗い流す治療です。
2~3日に1度、塩化アルミニウムを塗っていくと発汗量が減っていきます。汗の量に合わせて塗ったり中止したりして自分でコントロールできるのが特徴。
手順が簡単で誰にでもできるので、部活や習い事で忙しい学生さんでも続けやすいです。
手のひらや足裏の汗で困っている人、軽いワキのにおいで悩んでいる人にもピッタリ。ただし、汗の量が激しい人やワキガのにおいがキツイ人には大きな変化が感じられにくいかもしれません。
5-2.ボトックス注射
子どもにも手間や負担が少なく、汗もにおいもしっかり抑えてくれるのがボトックス注射です。
ボトックスとはボツリヌス菌の毒素を使った薬剤です。汗をかく命令を無視することができ、注射して数日で汗が出なくなります。効果は4~6ヶ月で一時的ではありますが、夏だ困っているなら十分です。
通年、汗やニオイに悩んでいる人は効果が続くように定期的に治療を受けます。健康保険が使えると、1度の治療にかかる費用はそれほどおおきくありません。
5-3.ミラドライ
誰にも知られたくない中学生や高校生におすすめなのがミラドライです。
ミラドライはマイクロ波をワキにあてるだけで、汗もにおいもダブルブロック。腫れや痛みなどダメージが少なく小さなお子様から高齢者まで安心して施術できます。局所麻酔で刺激もほとんど感じません。
治療直後から汗とにおいが変わり、治療は1~2回で終了。日帰りの治療でそのあとすぐにいつも通りすごせるので、忙しい学生さんには受けやすい治療です。
こどもの汗やにおいが気になったらリアラクリニックへ
お子様の汗やニオイが気になってきたら、親がいち早く気づいてケアしてあげることです。自分で対策をしてもうまくいかないときは手や足の汗は緊張やストレスで増えますが、生活に困るようになると、お子様がツラいと感じる状況を作らないように早めに受診しましょう。リアラクリニックのスタッフはワキガ多汗症治療のスペシャリスト。お子様のカウンセリングも無料で受け付けております。治療に関してご不明、ご不安な点も丁寧に説明いたしますので、お気軽にご相談ください。
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